"ゆりかごの歌"を聴きながら

何年、何十年経ってから、何をしていたか見返すための記録

(読書記録)自分とか、ないから。教養としての東洋哲学

著者のエッジの効いた視点から東洋哲学を解説した一冊。

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ぶっ飛んでいるのに、なぜか論理的。
生きづらさがマシになる(かもしれない)
それが、東洋哲学。

「人生でやりたいことってなんだろう?」
「本当の自分ってなんだろう?」

そんな全・自分迷子に贈る、衝撃の哲学本がここに誕生。
すべての答えは、「東洋哲学」にあった!

東洋の哲学者たちは、
とにかくみんなキャラが濃くてバグってる。

でも、そんな彼らの教えは、
「どう生きればいいか?」という人類普遍の悩みを打破する「考え方」を
ぶっ飛んだ方法で、でも論理的に、導いてくれる

無我、空、タオ、禅、他力、密教…

知れば知るほど、
この世界や自分の見え方が変わってしまうのが
東洋哲学の面白さ。

本書では、インド・中国・日本から、
ブッダ/龍樹/老子/荘子/達磨大師/親鸞/空海
7人の哲学者たちの教えをご紹介。

あなたの悩みに合ったお気に入りの哲学者が、きっと見つかるはず。

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一応、内容は東洋哲学の解説であるが、かなり面白くデフォルメされていたり、著者の体験や人生も交えながら、かなり楽しく読むことができる。また、外見のページ数は多く見えるが、実際の文量自体は多くないため、少し時間があれば1日でも十分に読み切れる。

個人的には東洋哲学は明るくないし、そこまで趣味ではないものの、哲学全般として、自分の人生や世界の見方をちょっと変える契機にはなり得ると思う。個人的に哲学を学問として知見を深めたいという意向はないものの、少しだけでも概要を把握することで、様々な考え方や自分の見方の参考にするという意味では、有意義な分野だと思う。その意味では、この本は全く難しくなく、そして著者の特殊な経歴も交えながら記載されており、ほかの哲学に関する本とは一線を画していると思う。

こういう哲学関係の本を読むと、哲学者の考える世界観が大きすぎて、日常で感じている悩みとかが非常にしょうもないようにも思える。そもそも自分と自分以外の境界線自体、色々考え方があるようで。哲学者のような思考を常時持つことは難しいものの、日々の中で、ちょっと詰まったときやイライラしたときの気の持ちようという意味では非常に参考になると思う。

 

(読書記録)ナチュラルボーンチキン

40代の出版社勤務の女性が主人公。

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仕事と動画とご飯というルーティン。
それが私で、私の生活だ。自分には何もない。(本文より)

毎日同じ時間に出勤退勤し、同じようなご飯とサブスク動画を詰め込む「ルーティン人生」を送る、45歳一人暮らしの「兼松書房」労務課勤務・浜野文乃(はまのあやの)。ある日、上司の指示で、「捻挫で三週間の在宅勤務」を続ける編集者・平木直理(ひらきなおり)の自宅へ行くと、そこにはホストクラブの高額レシートの束や、シャンパングラスと生ハム、そして仕事用のiPadが転がっていてーー。

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全体的にライトな本で、文体が特徴的、かつ何となく現代っぽい感じだなという印象を受けた。主人公に感情移入とまではいかなかったが、自分のルーティンや大きな波を立てないようにする、将来を無難な方向で予想・収束していきがちという思考は、年を重ねるにつれて自分も漠然と共感できるところ。

主人公の周りの登場人物が名前(芸名)も含めて、少しぶっ飛んでいるところも、主人公の性格と照らして際立っている小説だと感じた。

 

(読書記録)春を嫌いになった理由

超能力者を取り上げるTV番組と中国からの密告者が舞台の小説。

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ミステリーでサスペンスで青春小説
怖くてコミカルで温かい
殺人鬼が生放送中にやってくる!?
なんなんだ、この面白さは!!
誉田哲也初期の超傑作に出会ってください

フリーターの秋川瑞希は、テレビプロデューサーの叔母に超能力者エステラの通訳兼世話役を押しつけられる。嫌々同行したロケ現場で、エステラの透視通りミイラ化した死体が発見された――。
一方、妹と中国から日本に密入国した林守敬は、過酷な運命に追いつめられていた。様々な因縁が交錯する先に立ち現れる驚愕の事件とは?
著者初期の傑作サスペンス長編!

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超能力者の通訳をスポットで務めるとなったフリーターが主人公。ストーリーとしては、特にエンディングに向けて、怒涛というか一気に進む感じがあり、少しだけ唐突感があったものの、特に主人公の状況を描いているパートは面白く読むことができた。

本題とは逸れるが、最近はテレビをあまり見ていないものの、小さい頃は超能力者がテレビに出てきて、未解決事件や失踪者を番組で探すというコンテンツが毎週のようにあった気がする。今思うと、なぜ流行ったのかはよく分からないが、当時は結構漠然と見ていたが、あれはどこまでが本当で、どこまでが演出だったのだろうか、というのは今更ながら昔を懐かしみつつ、ぼんやりと考えていた。

 

(読書記録)楽園の楽園

伊坂幸太郎氏の書き下ろしの小説。

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大規模停電、強毒性ウィルスの蔓延、飛行機墜落事故などが立て続けに発生し、世界は急速に混乱に陥った。
これらすべての原因は謎の人工知能『天軸』の暴走と考えられた。
五十九彦(ごじゅくひこ)、三瑚嬢(さんごじょう)、蝶八隗(ちょうはっかい)の選ばれし3人は、人工知能の開発者が残したという巨大な樹の絵画『楽園』を手掛かりに、暴走する『天軸』の所在を探る。
旅路の果てには、誰も想像できない結末が待ち受ける。

書き下ろしの短編小説を、気鋭のアーティスト、
井出静佳の装画・挿絵とともに味わう「伊坂幸太郎史上最も美しい1冊」。

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作風や登場人物のセリフなど随所に著者らしさが滲み出ており、やっぱり伊坂幸太郎氏の作品だな、というのは読んでいて感じるところ。一方で、ストーリーというか、テーマはあまり著者が触れていない印象も受けており、結末が気になって一気に読んでしまった。

他の方の感想なども見ていると、エンディングは少し著者の過去の作品とは異なった印象であり好き嫌いが分かれるかもしれない。個人的には、全く嫌いではないが、ただ、驚くというか、どんでん返し的な要素ではなかったように感じた。

(読書記録)そろそろいい歳というけれど

年を重ねるにつれての悩みなどを綴った女性向けの一冊。

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人生の進捗がないのは私だけ? 25歳を過ぎたあたりから言葉にできない不安や焦りに悩まされ、年中無休でモヤモヤするアレの正体について。
「29歳になるのが怖い」「将来への漠然とした不安がある」「今の彼と結婚していいのか分からない」「出会いはあるのにピンとくる人がいない」「周りの幸せそうな友人を見るのがしんどい」「ライフステージが変わって友達と疎遠になった」「キャリアや人生のロールモデルが見つからない」「独り身の老後は嫌だけど今の生活を手放せない」「正直、子どもがほしいのか分からない」働く女性の根源的な悩みに切り込み、不妊治療や資産運用のいろはも詰め込んだ全アラサーのための一冊。

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Xに掲載された以下の記事「母になった友人」を読んで興味があったので読んだ一冊。

https://x.com/i/status/2055504008727629839

それぞれ面白い解説や筆者ならではの体験などが綴られていたが、個人的には上記の記事が解像度高く、私の感覚・印象を漠然と文字化していていて刺さった。

 

>だが、机の上でどんなに調べても、どんなに頭を働かせ想像してみても、自由気ままな独身の私に、育児真っ只中の友人の気持ちがわかるとは思えない。
>上野公園で遊んだあの日、彼女は本当は自分と娘にどう接してほしかったのか、 私たちはどう振る舞うべきだったのか、疲れ果てて帰宅する前に彼女からの情報開示があってもいいじゃないかと思ったときもあった。
>だが、本人に「どうしてほしい?」と雑に聞いたところで、彼女には語り得ない何かがあったのではないか。
…
>腫れもののように扱うのは相手にも失礼だが、暮らしぶりがガラッと変化した人間を、“こちら側”のテンポとテンションで遊びに誘ったことに対し、胸を張って「誠実だった」と言える自信はない。
…
>「何でも言ってね」「いつでも頼ってほしい」と相手の立場に寄り添おうとする姿勢は確かに正しい。
>だが言葉を尽くしても共有し得ない苦しみや事情があるときは、相手の望む分の距離を置いたまま、対岸から黙って見守る優しさや辛抱強さのほうが大切だと感じる。
…
>自分がされて嫌なことはするなと教えられてきたが、相手がされて嫌なことを、相手の気質や立場に立って想像する練習も、今後の人生では必要になってくるのだろう。
>それが相手の口から語られる前に。

 

(読書記録)相談の森

読者からの質問に、若干斜めうえから回答しているQ&A集。

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文春オンラインの人気連載「燃え殻さんに聞いてみた。」を待望の書籍化。家族との関係に、職場での振る舞いに、恋に、将来に、過去の失敗に……。生きている限り、人はいつだって悩んでいる。そんな悩みの一つ一つに、自身も迷いながら答える燃え殻の「人生をなんとか乗りこなす方法」を大公開。ずばり解決策が示されるわけじゃないのに、なぜかホッとする回答の数々。61篇のQ&Aを収録予定。

”他の人から見たら笑われてしまうようなことや、
「それで?」と言われてしまうようなこと。そういうことが
実は「転んだ時に自分を支えてくれる自信」に
なったのを思い出しました。” しいたけ(占い師・作家)

『僕は日々、いろいろな判断が遅い上に、間違えがちだと注意されるほうだし、人生の大きな後悔も一つや二つじゃない。そんな人間が、他人の相談に答えるのはいくらなんでもおこがましい気がしている。だからせめて、相談の森に、朝が来るまで一緒にいることにします。かならず夜が来るように、かならず朝はやって来るから。』(本文より)

生活様式が大きく変わった2020年。誰もが戸惑い、将来の不安を感じている。生きづらさを抱える全ての人へ向けた人生の処方箋。

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回答の内容の好みは分かれるかもしれないが、個人的には真正面から正論で回答されるよりは、ある程度は質問者の気持ちに寄り添いつつ、斜め上や回答になっていない返しの方が、実際の行動や心持ちには参考になる気がする。その意味では、筆者の回答は興味深いものが散見された。

「人生は何度でもやり直せるはウソだが、何度かはやり直せると信じている」、「大切なことを決めるときは、世間、一般的、普通という言葉を使わずに説明できないといけない」といった趣旨の言葉は、正にそのとおりであろう。更に、全体的に悩みを解決するのではなく、悩みを持ちつつ、モヤモヤしながら生きることも、人生の重要なポイントであることを全体として示唆しているようにも受け止められた。

 

(読書記録)アルバムのチカラ

東日本大震災で被害を受けた写真を洗浄し持ち主に返却する取組みをしている方々の様子を著者の写真とともに記した一冊。

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『アルバムのチカラ』は、東日本大震災の津波で流されてしまった泥だらけの写真とアルバムを洗浄し、持ち主に返却する人々の活動を取材した本です。2020年公開予定の映画「浅田家!」(監督:中野量太 主演:二宮和也、妻夫木聡)の原案の一つにもなっています。

編集者・藤本智士と写真家・浅田政志は、2011年3月11日の震災から約1カ月後、ボランティア活動のために被災地へ向かいました。
そこで目にしたのは、泥だらけの写真と、それらをひたすら洗浄する人々。
こうした活動が東北沿岸部各地で自然発生的に行われていることを知った2人は、それを取材し紹介することで写真洗浄のノウハウを各地でシェアできるようになるのではないかと、2年間にわたり取材しました。
この本は単なる震災復興の記録ではなく、アルバムがもつかけがえのないチカラと、それを信じて未来に渡そうとする人々の姿が、真率な言葉と写真で焼き付けられています。

そしてこの度の『アルバムのチカラ 増補版』では、2018年の西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町での写真洗浄活動を新たに取材しています。
東日本大震災から9年以上が経ついま、当時それぞれの地域で試行錯誤され確立されていたノウハウが、どのように活かされているのか。
真備町のみなさんの活動と姿を通して、あらためて写真の存在意義と人々との関わりを描き出します。
また、写真洗浄方法のマニュアルもイラスト付きで収載しています。

「誰に誉められるわけでもないのにねぇ。
だから自分で、火曜日と水曜日だけは来よう、って決めてやってます。
大変だけど、誰かが始めてくれたことだから。」
ー 岩手県 野田村/下田靖子さん(写真洗浄ボランティア)

「こうやって、みんなでひとつの目的を持ってやることができるんだよっていう可能性、ここに来れば、地元の方もいれば遠方の方もいるから、いろんな話ができるし、 写真洗浄のことをちゃんと知っていただけるっていうのは本当によかったなと。」
ー 岡山県 倉敷市 真備町/福井圭一さん

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写真の洗浄自体はテレビなどで以前目にしたことがあるが、改めて活字と写真で読むとそのような活動の重要さ、大変さなどを垣間見ることができる。震災の被害者の苦悩を綴っている側面もあるが、写真に係る取組みが主眼とされているように感じた。

本書でも触れられているが、富士フィルムのサイトでも当時の様子や写真救済に向けた活動がまとめられている。

私たちがやってきたこと。そして、わかったこと。 | 写真でつながるプロジェクト

当然に本書を通じて震災の被害であるとか、突然に日常が奪われた悲惨さなどを感じ取ることができるが、個人的に自分の写っているこれまでの写真は大半はスマホなどのデータで撮影されたもので、紙媒体で残っているものは非常に少ないと思った。津波や災害などに関係なく、突然の事故などが起きたことを少し想像すると、スマホのデータを復旧することは容易ではなく、それに特に見返す予定があるものではないが、将来的に家族が見る可能性もあり、紙媒体の写真も少しは残っていてもよいかなと思った。

自分の家族が撮った写真は自分以外の家族が少なくとも記憶が残っているものであり、まずは家族と一緒ではない写真を整理することにした。地味に整理も面倒で多少時間はかかったが、「昔、こんな出来事があったな、当時、○○な感情であったな」という感情も生まれ、懐かしい気持ちになった。今では写真の画質などをこだわらなければ、安価でフォトブックも作れる時代であり、ちょっとだけ立ち止まるよいきっかけになった一冊であった。