"ゆりかごの歌"を聴きながら

何年、何十年経ってから、何をしていたか見返すための記録

(読書記録)君のクイズ

クイズ番組で一文字も読まれぬ段階で正解した対戦相手を考察し、深堀していくストーリー。

amazon.co.jp/君のクイズ-小川-哲/dp/4022518375

----------------------------

『ゲームの王国』『嘘と正典』『地図と拳』。一作ごとに現代小説の到達点を更新し続ける著者の才気がほとばしる、唯一無二の<クイズ小説>が誕生しました。雑誌掲載時から共同通信図書新聞文芸時評等に取り上げられ、またSNSでも盛り上がりを見せる、話題沸騰の一冊です!

ストーリー:生放送のTV番組『Q-1グランプリ』決勝戦に出場したクイズプレーヤーの三島玲央は、対戦相手・本庄絆が、まだ一文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たすという不可解な事態をいぶかしむ。いったい彼はなぜ、正答できたのか? 真相を解明しようと彼について調べ、決勝戦を1問ずつ振り返る三島はやがて、自らの記憶も掘り起こしていくことになり――。
読めば、クイズプレーヤーの思考と世界がまるごと体験できる。人生のある瞬間が鮮やかによみがえる。そして読後、あなたの「知る」は更新される! 
「不可能犯罪」を解く一気読み必至の卓抜したミステリーにして、エモーショナルなのに知的興奮に満ちた超エンターテインメント!

----------------------------

読み終わった後に、ネット上のいくつかの感想も読んだが確かに賛否が分かれそうな作品ではあると感じた。

一文字も読まれない問題をなぜ正解できたか、ということが大半であり、主人公とクイズの関わりなどの描写はあるが、ほぼ「なぜ正解できたか」を考察するものである。

クイズプレーヤーがどのようなテクニックで早押しをしているか、などが考察の一部分を占めているが、この点に興味を持つことができるかどうかがポイントの一つのようにも思う。

個人的には「知的興奮に満ちた」ということまでは感じなかったし、結末も結構予想できた範囲ではあったので驚くということはなかったが、文量も多いわけではないので、確かに一気読みに近い形では読んだ。