"ゆりかごの歌"を聴きながら

何年、何十年経ってから、何をしていたか見返すための記録

(読書記録)こども庁

著者である参議院議員山田太郎氏が、こども家庭庁の創設に向けた取組みを記載したものである。

こども庁ー「こども家庭庁創設」という波乱の舞台裏ー (星海社新書) | 山田 太郎 |本 | 通販 | Amazon

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自民党を「こどもを語れる場所」に変えた1年半の疾風怒濤伝!

2023年4月に発足した「こども家庭庁」。その創設の舞台裏には、自民党の常識にとらわれない新しい政治の「闘い方」があった! こどもの虐待や不登校、自殺者が多発する日本の厳しい現状を「こども緊急事態」として菅義偉内閣総理大臣に「こども庁」構想を直談判した2021年1月24日、闘いは始まった。「総裁選」や「党内や官僚からの抵抗」、「こども庁名称問題」、「メディアからの批判」幾多の危機にあって、命綱となったのは「ゲリラ的勉強会」、「デジタル民主主義」という驚きの政治戦略だった! 本書は、「こども庁」構想の発起人の一人である著者が、庁の発足までの舞台裏を書き下ろした疾風怒濤の政治ドキュメンタリーである。

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本文にも繰り返し出てくるとおり、「こども庁」としたかった名称が結果として「こども家庭庁」となり、文中では「こども(家庭)庁」という表現が散見される。

 

こども家庭庁のウェブサイトを見ると、以下の3点を柱としている。

  1. こども政策の司令塔として、少子化対策など多くの省庁が関係する施策を総合調整していくこと
  2. 省庁の縦割りを打破し、新しい政策課題や隙間事案に対応していくこと
  3. 保育、母子保健、虐待防止、こどもの貧困、障害児支援など、こどもや子育て世帯への支援として5兆円弱の予算を執行していく

こども家庭庁業務パンフレット (cfa.go.jp)

 

「司令塔」という言葉は、「組織全体の指揮を執る部署や人」というニュアンスの意味で使われているものと理解している。

つまり、関係省庁全体の指揮を執ることが求められていると考えられるが、一般に指揮を執る人・部署は一定の力や信頼性が必要である。

その意味で、期待される司令塔の役割という観点では、既存の関係省庁との力関係という点が重要に感じた。これは「組織」としても、「働いている人の意識」という点でも重要だと思う。

今後、こども家庭庁が真の司令塔としての役割を果たすことを期待したい。