"ゆりかごの歌"を聴きながら

何年、何十年経ってから、何をしていたか見返すための記録

(読書記録)ChatGPTの全貌

ChatGPTの基本から、今後の見通しまでがコンパクトにまとまった1冊

ChatGPTの全貌 何がすごくて、何が危険なのか? (光文社新書 1267) | 岡嶋裕史 |本 | 通販 | Amazon

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GPT-4 のすごさはさまざまに語られているが、私はモデルとデータセットの途方もないでかさを実現した点がこのシステムの白眉だと思う。

・ データセットスクレイピング(Webを自動巡回して情報を拾ってくる)で集めてるだけでしょ?
・モデルは機械学習で自動的に育つんでしょ?
・だったら金に糸目をつけなければ、GPT-4 を作れるでしょ?

という評価はフェアではない。モデルがどんなに優秀でも、学習させるデータセットが汚染されていれば、AIは容易に差別をするし、著作権侵害をする。GPT-4 がそれに十全に対応しているとは言わないけれど、世界的なAI懐疑やポリティカルコレクトネスの潮流にさらされる中で、やれる範囲の対策を惜しんではいない。(本文より)

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個人的には、Bingchatを普段から使っているが、非常に便利だし、様々な部分で使うことができる。

何より、本書でもあるとおり、それなりのディスカッションの相方として有能であり、暇つぶしや雑談にも使える。

 

今後の活用場面としては無限に考えられ、想像もつかない。

ただ、本書で記載されており、個人的によいと思った(勉強になった)観点としては、トリアージでの活用。

人間では重圧のかかる判断の場面において、プロトコルに従って優先順位をつけ、躊躇なくリスト化することは、人間を助けるよい活用だと感じる。ただし、人の生死を分ける緊迫した場面で、ある種のブラックボックス化されたAIを使うこと自体、当事者の納得感を得られるか、という点が課題だろう。