"ゆりかごの歌"を聴きながら

何年、何十年経ってから、何をしていたか見返すための記録

(読書記録)罰ゲーム化する管理職 バグだらけの職場の修正法

日本の管理職の問題点や改善点などをまとめた新書。

罰ゲーム化する管理職 バグだらけの職場の修正法 (インターナショナル新書) | 小林 祐児 |本 | 通販 | Amazon

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高い自殺率、縮む給与差、育たぬ後任、辞めていく女性と若手──、
日本の管理職の異常な「罰ゲーム化」をデータで示し、解決策を提案する。
ビジネスの現場を救う”希望の書”!

「管理職の活性化」に悩む経営層にも、現場の管理職にも役立つ、知恵とヒントに溢れた1冊。

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一般に何でもかんでも上の人や管理職の責任にされるような風潮が目立つ。管理所億よりも現場で働いている人の方が多いため、この点はある程度致し方ないだろう。

日本の「管理職」と呼ばれている人がどの程度の権限などを有しているかは個人的にも疑問に思っているが、管理職に関する本は、どうしても「・・・をすべし、・・・をすべきではない」といったマネジメントをする個々人の取組みなどを解説した本が多い。

 

一方、この本は日本社会における管理職について俯瞰して記述したもので、個人の解決策というよりは、仕組みや制度など全体的な見直しなどを提言していることが新鮮に感じた。提言の内容などは受け止め方は色々だとは思うが、本の視点は面白いと思う。

本書でも一部記載されているが、企業としても管理職への研修などを取り組んでいるが、部下や周囲に対してどのような研修をしているかなど、管理職以外への働きかけんも重要というのは個人的にも感じるところである。

日本の文化の変化などにより、昔よりも部下と関与するリスクが高まっている中、たいして処遇が向上するわけではない管理職については、その意味で「罰ゲーム」的なことはあるだろう。

他方で、本書の最終章「結局、管理職になるのは、「得」なのか「損」なのか」に記載のとおり、管理職になることによる変化、一変する光景を体験することができる、という点に尽きると思う。損得は個人の感じ方ではあるが、最終的には本人の心持ちが重要だと感じている。