"ゆりかごの歌"を聴きながら

何年、何十年経ってから、何をしていたか見返すための記録

(読書記録)実践・哲学ディベート: 〈人生の選択〉を見極める

協議ディベートではなく、哲学的な見地から各論点についてディベートが行われる新書。

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「論理」を鍛え、「問題」と向き合う!

反出生主義に教育問題、ルッキズムからAI脅威、意思決定論まで。誰もが遭遇する人生の身近な事例を手掛かりに、「教授」と「学生たち」のディベート形式で、哲学的論点を浮かび上がらせる。NHKブックス『哲学ディベート』以降に登場した、新たな思想潮流や現代特有の課題を集中的に取り上げ、思考法とアプローチを同時に身につけることを目指す、画期的哲学入門!

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いくつかの論点について、各学生が発表・発言するが、この学生は架空の人物であり、学生の発言という形で論点出しが行われているという雰囲気である。

個人的にディベートは好きではない、より正確に言うとディベートを見ることは嫌いではないが、課題そのものへの自分の意見・考え方などが混じってしまい、公平に見ることができない。どうしても自分の意見などと賛同している方を支持したくなってしまう。

 

この本の「哲学ディベート」とは、相手を論破する、打ち負かすというものではなく、様々な考え方を提示するものであり、見方として勉強になった。

仕事やビジネスでは、どうしても論理的、エビデンス云々が求められることが多いが、現実の問題の多くは個人的な感情が重要である。

私の一考えでいえば、むしろ仕事以外のプライベートは、自分で決定する必要がある事項に満ち溢れ、更にそれは必ずしも論理的に決定されるものではないと思う。個々人の考え方は当然に哲学的なものが含まれるだろうし、他者の哲学的な視点というものも、自身の知見を広げる意味では有意義と感じた。