"ゆりかごの歌"を聴きながら

何年、何十年経ってから、何をしていたか見返すための記録

(読書記録)知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ

「自分の頭で考える」ということを主なテーマとした一冊。

Amazon.co.jp: 知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社+α文庫) eBook : 苅谷剛彦: Kindleストア

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常識にとらわれた単眼思考を行っていては、いつまでたっても「自分の頭で考える」ことはできない。自分自身の視点からものごとを多角的に捉えて考え抜く、それが知的複眼思考法だ。情報を正確に読みとる力。ものごとの筋道を追う力。受け取った情報をもとに自分の論理をきちんと組み立てられる力。こうした基本的な考える力を基礎にしてこそ、自分の頭で考えていくことができる。ベストティーチャーの奥義!!

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1990年代に書かれた本であるが、現代でも参考になる部分は多いと感じた。

全般として、常識に縛られない見方をする、批判的なものの見方をするなどを例示を示しつつ、丁寧に記載されている。

例えば、「読書の効用」という例では、本を読まない人が多いという点の何が課題か。楽しみや感動は他の媒体でも得られることができるし、情報も同様。

筆者の意見では、知識の獲得の過程を通じて、じっくり考える機会を得ること。つまり、考える力を養うための情報や知識との格闘の時間を与えてくれるとしており、この点は個人的にも同意見である。小説であれば、知識の習得という点は、感動や感情と置き換えることができると考える。

 

また、批判的な読み方としては、「著者と対応になって文章を読む。書かれたものを不動の完成品だとは思わない」、「著者を簡単には信用しないこと」、「著者のねらいをつかむこと」、「論理を丹念に追うこと、根拠を疑うこと」、「著者の前提を探り出し、疑うこと」が挙げられており、基本的であるが重要な事項と感じる。そして、これを常に意識することは難しい(とともに、体力も消費するのだが)。