"ゆりかごの歌"を聴きながら

何年、何十年経ってから、何をしていたか見返すための記録

(読書記録)カラスをだます

丸々一冊、カラスに特化した新書。

カラスをだます (NHK出版新書 646) | 塚原 直樹 |本 | 通販 | Amazon

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世界唯一! 「カラス誘導」稼業の全貌

著者は「カラスの鳴き声」の研究で博士号を取った研究者であり、長年の研究成果である「鳴き声でカラスを操る技術」を駆使してカラス被害に対し科学的な対策を提案する「株式会社CrowLab」の創業者。本書は、 カラスはなぜ黒い? 襲われないためにはどうすればいい? などの基礎的な問いから、肉はおいしい? どうすれば食べられる?などの興味にも、そして、どうすれば追い払える?という切実な問いにも、自ら確かめた事実だけをもとに答えていく。18年にわたる研究のクロウを読み終える頃には、頭上のカラスの鳴き声が気になりはじめ、必要以上に恐れなくて済むようになるだろう。カラスの非愛好家にこそお勧めの、「カラスとの真剣勝負」半生記!

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筆者はカラスの鳴き声をはじめ、カラスの生体、そして社業としてカラス対策なども行っており、その体験や取組みがまとめられた本。

日常的にカラスは目にするが、ここまで意識したことはなかった。

本書でも何度も出てくる「汎化」という点がネックで、一つの対策で継続してカラス対策をすることが難しい点が厄介なところ。

そして、カラスを使った料理については、個人的には全く食欲をそそられなかったが、ジビエ的な要素もあるだろう。ただ、ここも本書で触れられているとおり、なんでもジビエ的に扱えるものではなく、コストやニーズを含めたビジネス的な観点も重要だろう。そして、食べることでカラスを減らすことが困難な点も納得できる。

 

カラスとは全く関係ないが、野生動物の平均寿命を正確に調べることは実は難しい(or 労力が大きい)という点は、なるほどと思った。何十年も継続して調査することは困難極まりない。

動物園やその他管理下の動物であれば容易に調査できるが、それはあくまで管理下における動物の寿命となってくる。

 

私は容貌や振る舞いを含め、カラスが嫌いであるが、この本を読んでいる間だけは、少しだけ愛らしい面もあるという感情を持った(ただ、依然として嫌いには変わりはない)。