"ゆりかごの歌"を聴きながら

何年、何十年経ってから、何をしていたか見返すための記録

(読書記録)自転しながら公転する

山本文緒氏作の長編小説。

Amazon.co.jp: 自転しながら公転する : 山本 文緒: 本

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中央公論文芸賞受賞作! 】
島清恋愛文学賞受賞作! 】
結婚、仕事、親の介護、全部やらなきゃダメですか
共感と絶賛の声続々! あたたかなエールが届く共感度100%小説!

東京で働いていた32歳の都は実家に戻り、地元のモールで店員として働き始めるが…。
恋愛、家族の世話、そのうえ仕事もがんばるなんて、そんなの無理!
答えのない問いを生きる私たちをやさしく包む物語。
7年ぶり、待望の長篇小説

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仕事や親の面倒、結婚など、いずれも最悪ではないものの、なんとなく環境が悪いと感じている女性が主人公。

読者目線の第三者の立場としては、もっとこうすればよいなどと思うところもあるが、現実の人間は俯瞰した目線を持つことは難しく、実際はこんな主人公のような感情を持っている人も多そう。主人公を含め、各立場の心情や葛藤が適切に記述されており、主人公に限らず共感できるところも多く、人気が出るのも理解できた。

単なる主人公の恋愛、仕事などの話だけではなく、主人公の親目線での情景も描かれているのが特徴的。年齢、立場など様々であるところ、一つの目線だけではなく、色々な観点から情景が描かれている点はよいと感じた。