WOWOWでドラマ化もされた小説。
オペレーションZ (新潮文庫) | 真山 仁 |本 | 通販 | Amazon
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大手生保会社が資金繰りのため国債を投げ売りする事態が発生、国債価格が暴落した。もう国債頼みの政治は、誰かが終わりにせねばならない……。国家予算を半減すべく、江島隆盛総理のもと若手財務官僚が集い、極秘作戦が始動する。しかしエリート官僚が抵抗し、世論も猛反発、メディアの攻撃が渦巻くなか、総理はついに国会を解散する大博打を打つーー。息もつかせぬ緊迫のメガ政治ドラマ!
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ページ数も多い本であったが、比較的スムーズに読めた。
全体としては面白いと感じたが、霞が関の職員の描写が気になるところが散見された。
「公務員の資料や提示する案のスピードが速すぎる」などは小説なので割り引いて読んでいたが、国会対応や予算対応、法改正など繁忙である職員は、夜な夜な働いている様子を個人的には目にしている。
他方、小説のような作戦を遂行する職員や国家危機に対応する職員が、それなりに家庭との会話をしているシーンは、少し想像しがたいものであった。
国家公務員が深夜(もっと言えば、早朝)まで働いている仕組み自体は、改善すべきと考えているが、小説とはいえ、公務員の描写をもう少し現実的なものにすることで、より楽しめる小説になるのでは、と個人的な感想を持った。