"ゆりかごの歌"を聴きながら

何年、何十年経ってから、何をしていたか見返すための記録

(読書記録)残業の9割はいらない

ヤフーで実践されてきた事項、また、著者が考える働き方改革、施策などが記載された本。

残業の9割はいらない ヤフーが実践する幸せな働き方 (光文社新書) | 本間浩輔 |本 | 通販 | Amazon

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働き方改革は、けっして楽なものではない。
働き方改革は、残業代を削減するためだけのものでもない。
働き方を変えることは、あなたの未来をより良く変えること。
アウトカム(成果)のために、モチベーションを維持し、効率よく働く。
そして、人生一〇〇年時代をサバイブするために、よく学び、何より幸せに生きるための選択をし続けよう――。

ヤフー上級執行役員として、数々の人事施策を提唱してきた著者の、「企業が勝つため」「社員が幸せになるため」の希望に満ちた働き方改革論。

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コロナ前の本であり、テレワークが本格化する前の本ではあるが、全体として着眼点は勉強になる部分が多かった(ただ、「9割はいらない」の9割の根拠は理解には至らなかった)。

 

オフィス回帰という風潮はあるが、以前、テレワークを導入している会社が多いと思う。また、従前の働き方改革、残業時間の抑制といった国の施策が導入された当時からも思っていたが、この本でも指摘されているとおり、従業員には「show me the outcome(成果を見せろ)」という概念が強くなったと感じている。

そのため、結果を出せれる従業員であればよいが、以前は残業などでアピールしていた従業員が活躍することは難しい風潮が強くなっており、実は従業員にとって大変な時代になっているという感想を持っている。

 

また、この本の第3章にも記載のとおり、部下の「努力」を評価することは望ましいものではないが、そういう風潮は依然多いと思う。また、「努力」が評価されないと、従業員目線ではモチベーションを維持することが難しいと思われる。

 

蛇足になるが、「信号機のある交差点の渡り方を子供にどう教えるか」という説例が文中でなされている。その中では、日本人的な発想の一つとして「青で渡って赤で止まるという交通ルールを教える」ということが挙げられている。

その対比として、この本で紹介されている海外の人は「信号が青であっても、車が止まっているかどうか確認してから渡りなさい。赤信号でも、車が突っ込んでくるかもしれないから注意しないといけない」と言及している。

確かに言われてみれば当たり前ではあるが、設例として出された場合、確かにここでいう日本人的な発想のような回答をしてしまうような気がした。