NHKのWEBで連載されていたものの書籍化。
霞が関のリアル | NHK取材班 |本 | 通販 | Amazon
基本的にネットでも同趣旨の内容は閲覧することができる。
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NHK NEWS WEBの注目連載書籍化。激務で知られ、さらにコロナ対応で疲弊する霞が関官僚。不条理な働き方は、精神疾患、相次ぐ退職、なり手不足といった問題だけでなく、第一線で働く官僚の能力発揮を妨げ、国の政策を停滞させている。官僚本人、家族、政治家、関係者への緻密な取材から、その現状と構造に鋭く迫る。
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個人的には、夜遅くまで働いている国家公務員も、基本的に定時に帰る国家公務員も目にしており、究極的には個人、業務によるのだが、総じて本書で触れられているような「しがらみ」や「仕組み」は霞が関の一つの特徴である。
本書に記載のとおり、無駄な手続きなども多いとは思うが、行政の誤謬性を考慮すると、やむを得ないものも存在すると考える。
国会業務や予算対応のほか、質問主意書は大変な業務の一つ。主意書は何とかならないのか、と思うものの、国会議員が質問する権利という観点では重要なことも理解できる。
霞が関の嫌われ者 “質問主意書”って何?|NHK NEWS WEB
よく国会の議論がプロレスと称されることがあるが、確かに質問者、答弁者とも大枠では決まったことを質問している。
ただ、質問の事前通告などがなければ、「その場では回答できない」が連発して議論にならない。いきなり質問されても、国会議員も役人もしっかりとした回答は困難。
むしろ、勝手に色々話される方が困る気がする。
(民間の会社でも、社長や偉い人が適当な話を方々にした結果、担当者が大変になることはあるだろう)
本書では、霞が関の働き方改善として色々触れられている。
例えば、「仕事の属人化の廃止」、「見える化の更なる導入」などが挙がっているが、これは民間でも全く当てはまること。
ただ、社員の目線では属人化により、「自分のペースで仕事ができる」、「業務の裁量権が大きい」などのメリットもあるだろう。
また、専門性が求められる業務では、そもそも担当者の替えがきかないことも実態としてはあるだろう。
本書に限らず、「属人化」はネガティブワードとして使われていることが目に付くが、「よい属人化」と「悪い属人化」というものがあるのでは、と感じた。
霞が関と霞ヶ関
ちなみに、駅名は「霞ヶ関駅」であるが、いわゆる役所を指すときは「霞が関」となる。
パソコンで変換していると、よく誤字をしてしまう。
(昔、とある公務員の人の前で間違えた際に、しっかりと訂正された)