"ゆりかごの歌"を聴きながら

何年、何十年経ってから、何をしていたか見返すための記録

(読書記録)国会話法の正体 政界に巣くう怪しいレトリック

政治家が国会や記者会見などで使う表現(レトリック)などについて、検証・分析した一冊。

国会話法の正体 政界に巣くう怪しいレトリック | 藤井 青銅 |本 | 通販 | Amazon

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「記憶にございません」「お答えは控えさせていただく」「遺憾に思う」「誤解を招いたとすれば……」「ご指摘はあたらない」等々、国会や記者会見で政治家や官僚たちが繰り出す、まったく説得力のない答弁や謝罪。近年の「ご飯論法」にも顕著な「話のすり替え」答弁――これら「何も言っていないのに、何か言ったように思わせる」「何がなんでも非を認めない」言葉を繰り返し聞かされて国民は無力感すら覚えているだろう。しかしそれこそが相手の狙いなのだとしたら? やはり、誠意のない答弁には「それはおかしい」と声を上げ続けるしかないはず。
本書では、こうした説明義務を放棄したかのような答弁を「国会話法」と名付け、そこに潜むさまざまな「ごまかし」「論点ずらし」「物事の曖昧化」テクニックを、構文解析図で可視化、徹底的に検証していく。
権力者たちが駆使する「誠意のない言葉」「怪しいレトリック」に対するリテラシーを高め、有権者としての政治への意識を研ぎ澄ますことのできる一冊。
巻末に収録した「架空国会中継」では国会答弁の見どころ・ツッコミどころの楽しみ方も解説、ニュースや国会中継に接するのが100倍楽しくなる! 

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基本的には、「国会話法」なるものをネガティブな立場に立って解説されている。解説ではあるが、色々な例え話を含め、全体的にポップなテイストで説明されている印象を受けたため、読み物として面白かった。

 

確かに、分かりにくい、おかしいといった批判は御指摘のとおりだと感じた。

他方、民間企業の会見やメディアへの発表(特に不祥事など)でも似たような文言が使われていると思われ、その意味では普通の会社員にも勉強になるのではないだろうか(「国会話法」の是非は別にして)。

 

あとは、「国会話法」自体を使うものではないが、日常のやり取りの中でも断定はせずに、一定の逃げ道を持たせた発言は特に仕事でも使われている印象。

この点の解像度を上げる(相手に突っ込む)ことで、明確化を図ることができるが、詰める印象になってしまうのが問題である。