主人公が娘に送ったテープをもとに進められるラブストーリー。物語の大半は主人公の目線で進められる。
水曜の朝、午前三時 (河出文庫 は 23-1) | 蓮見圭一 |本 | 通販 | Amazon
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「もしかしたら有り得たかもしれない、もう一つの人生、そのことを考えなかった日は一日もありませんでした」――45歳の若さで逝った、知的で魅力的な翻訳家で詩人の直美。彼女が娘のために遺したテープには、1970年の大阪万博で働いていた23歳の直美と、将来が有望視されていたエリート学生・臼井との切ない恋とその後が語られていた。恋の痛みと人生の重みを描く、大人のラブストーリー。
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エリート学生との恋が実らなかった理由は、時代背景からもある程度は予想がついた。
感動的という書評もあるが、個人的には「感動」という感情は抱かなかったが、恋愛要素が強く描かれているというものではなく、ストーリー自体は面白かった。
解説にもあるとおり、「宝探し」はしたくなる。
「冒険の邪魔をしてくる者に対して、憎んだり恨んだりするが、そういう人がいないと味気ない」といった趣旨の記述があるが、それは確かにそのとおりだなと。
あと、ストーリーとは関係ないが、親が子に「伝えたいこと」をしっかりと記録して伝えることができるのは、(こう書くと味気ないが)非常によいと感じた。