"ゆりかごの歌"を聴きながら

何年、何十年経ってから、何をしていたか見返すための記録

(読書記録)舞台 西 加奈子 (著)

主人公が一人でニューヨークを訪問した際、トラブル等を通じて自身を見つめなおす小説。

舞台 | 西 加奈子 |本 | 通販 | Amazon

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「生きているだけで恥ずかしい――。」自意識過剰な青年の、馬鹿馬鹿しくも切ない魂のドラマ!
29歳の葉太はある目的のためにニューヨークを訪れる。初めての一人旅、初めての海外に、ガイドブックを暗記して臨んだ葉太だったが、滞在初日で盗難に遭い、無一文になってしまう。虚栄心と羞恥心に縛られた葉太は、助けを求めることすらできないまま、マンハッタンを彷徨う羽目に……。決死の街歩きを経て、葉太が目にした衝撃的な光景とは――?
思い切り笑い、最後にはきっと泣いてしまう。圧倒的な面白さで読ませる、西加奈子の新境地長編小説!

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自身を見つめなおす、というストーリーではあるが、基本的にコミカルな雰囲気が強く、重い感じは受けなかった。

ニューヨークを訪問した際にトラブルに合う、というところまでは良かったが、その後の展開は場面や時系列が混在するシーンも多く、若干ストーリーがつかみにくかった。小説自体は200ページ弱であったが、もう少し長かったら厳しかったかもしれない。

文庫の末尾の巻末特別対談を読んで、なんとなく著者が伝えたい事項が分かったような気がした。

読み終わった後、Amazonの商品ページを開いてみたが、「最後にはきっと泣いてしまう」というところには至らなかった(そもそも感動には至らなかった)。おそらく、私自身が著者の意図を理解できなかったのだろう。