"ゆりかごの歌"を聴きながら

何年、何十年経ってから、何をしていたか見返すための記録

(読書記録)パンダより恋が苦手な私たち

雑誌編集者と動物の求愛行動を専門にした准教授とのやり取りが中心に進められる小説。

Amazon.co.jp: パンダより恋が苦手な私たち (講談社文庫) : 瀬那 和章: 本

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変人に、恋をした!
仕事のやる気ゼロ、歴代彼氏は1人だけ。
編集者・一葉は恋愛コラムを書くはめになり、「専門家」に取材を申し込むが――!?

雑誌編集者・一葉は悩んでいた。
憧れのモデルに恋愛コラムの連載を依頼するも、原稿を代筆する羽目になったのだ。
交際経験が少なく自信がない一葉は、
「恋愛を研究するスペシャリスト」の噂を聞いて大学を訪れる。
だが、そこで出会ったイケメンはとんでもない変人で!?

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小説内の雑誌で連載する内容も恋愛であり、基本的には全体として恋愛がテーマとされているが、動物の求愛行動と絡めた点、また、動物の求愛行動自体、面白いと思った。確かに動物と比べると人間の恋愛は非合理的なようにも思う。

「自分の持っている資源を知ること」、「もうグズグズしている時間は残っていない。あんたの人生に関係のないその他大勢の視線や言葉なんかに邪魔されてる場合じゃない。本当に好きなら、胸を張って、すべてをねじ伏せて前に進め」というセリフが出てくるが、動物と比較して、他者の目線を気にしすぎるのは人間(自分)の課題だと、つくづく感じる。