"ゆりかごの歌"を聴きながら

何年、何十年経ってから、何をしていたか見返すための記録

(読書記録)タイパの経済学

テレビなどでも多く取り上げられることとなった「タイパ」について論じられた新書。

タイパの経済学 (幻冬舎新書 706) | 廣瀬 涼 |本 | 通販 | Amazon

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Z世代など若者を中心に、コスパならぬ「タイパ」(時間対効果)を重視する価値観が当たり前となった。
時短とは異なり、「限られた時間でより多く」「手間をかけずに観た(経験した)状態になりたい」という欲求が特徴で、
モノやコンテンツをコミュニケーションの“きっかけ”や“手段”ととらえているという。
その背景にはサブスクの普及、動画のショート化、不景気などの環境変化と、
「時間を無駄にしたくない」「いますぐ詳しく(=オタクに)なりたい」といった意識の変化がある。
もはや彼らは純粋に消費を楽しむことはできないのか?
一見不合理なタイパ追求の現実を、気鋭の研究者がタイパよく論じる。

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個人的には、「コスパ」というワードは気にならないが、「タイパ」はあまり好きな言葉ではない。単に聞きなれていないだけかもしれないが。

この本でも記載されているが、タイパを追求することは合理的なのか、個人的には疑問に思っていた。YouTubeSNSなど、明確な目的もなく受動的に情報を浴びている中で、なぜ時間の消費に対して効率性を重視するのか、という点はそのとおりだと思う。

この本では、その点についてもZ世代の感情などをもとに考察されているが、あまりその感情は理解できないな、と感じた(この本が分かりにくい、という意味ではない)。

「タイパ」を追求しすぎると、かえって不合理を生み出すのではないか。