"ゆりかごの歌"を聴きながら

何年、何十年経ってから、何をしていたか見返すための記録

(読書記録)かばん屋の相続

銀行を舞台にした6篇の短編小説。

Amazon.co.jp: かばん屋の相続 (文春文庫 い 64-5) : 池井戸 潤: 本

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「妻の元カレ」「手形の行方」「芥のごとく」他。銀行に勤める男たちが出会う様々な、困難と悲哀。6つの短篇で綴る、文庫オリジナル

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各々のストーリーは独立しており、銀行、融資などは共通しているが、基本的にテイストが異なる6作。

いずれの作品もハッピーエンドという性質ではなく、何とも言えない(作品の内容ではなく、作品内の人物のストーリー)感じで終わる作品。

特に概要欄にも紹介されている「妻の元カレ」とか、話としてはありそうではあるが、なんか救いようがないと。

個人的に面白かったので、すぐに読み終わってしまった。

(読書記録)公務員になりたい! ベテラン公務員が教えるお役所就職ガイド

公務員、特に地方自治体の公務員の仕事などを中心にまとめた新書。

Amazon.co.jp: 公務員になりたい! ベテラン公務員が教えるお役所就職ガイド (星海社 e-SHINSHO) eBook : 秋田将人: 本

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安定だけではない公務員の魅力、デメリット、求められる資質やキャリアプランまで、公務員志望者の疑問に勤続30年以上の著者が答えます!

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最近、公務員に関する本を多く読んでいる気もするが。

「お役所就職ガイド」とあるが、就職試験等に役立つというよりは、公務員の仕事内容のイメージなどの理解を深めることに重きを置いている印象。

公務員に限らず、仕事の良し悪しを文書で表現することは難しいが、少なくとも著者が感じている公務員の魅力は伝わってきたところ。何かと公務員として働くデメリットが強調されている風潮ではあるが、一定の魅力はあるのではと。ただ、対住民を扱っている課室は大変、面倒なことが想像がつくところであり、やりがいとトレードオフかもしれないが、精神的にもつらいところだろう。

 

(読書記録)SOS! 公務員のためのやっかいなクレーム対応

公務員向けのクレーマーに対応するための簡単な解説本。

Amazon.co.jp: SOS! 公務員のためのやっかいなクレーム対応 電子書籍: 自治体クレーム対応研究会: Kindleストア

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自治体の窓口のみならず、さまざまな施設に訪れるやっかいな「クレーマー」に対応するための本。
従来いわれてきた傾聴などの対応だけでは通用しない、理不尽なクレームを持ち込んでくる人達が多数存在する。
メンタルを保ちながら、このクレーマーと称される人たちにどう対応すればよいかをイラストをまじえて紹介!

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タイトルのとおり、公務員、特に地方公務員を念頭に記載された本で、民間企業などには直接当てはまらないところもあるが、基本的な考え方は参考になるところもあると思う。

個人的には、クレーマーへのメンタルの持ち方ということで、物腰は低く対応しても心の中は上から目線という点は大切だと思う(まともに取り合っていたら心が持たない)。

この本は「自治体クレーム対応研究会」というところが執筆しており、そんな団体もあるのかと少し驚いたが、検索した限りでは団体が積極的に活動している様子は確認できず、おそらく複数の執筆者たちの総称を指しているのだと推測される。

(読書記録)3分で読める! 誰にも言えない○○の物語

短編の「誰にも言えない」物語をまとめた一冊。

Amazon.co.jp: 3分で読める! 誰にも言えない○○の物語 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) : 『このミステリーがすごい!』編集部: 本

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累計100万部突破の大人気シリーズ最新刊です! ミステリーからホラー、恋愛話までバラエティに富んだ25話。執筆陣は、映画化『護られなかった者たちへ』の中山七里や、累計235万部突破『珈琲店タレーランの事件簿』シリーズの岡崎琢磨、ドラマ化決定『元彼の遺言状』の新川帆立、『SCIS』シリーズの中村啓など、旬の作家たちが1話8ページで競演します!

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個人的にショートショートなどは時々読んでおり、超短編は好みの類。

ただ、この本は各ストーリーを書いている著者がそれぞれ異なるため、物語によってテイストがかなり異なる印象。

それが面白いと感じる側面もあるのだろうが、個人的には琴線に触れたストーリーは少なかったかなと。一色さゆり氏の「…私が気づいていないだけで、時間をさかのぼれば目の前の利用者となんらかのご縁があるかもしれない。そんな可能性に気づいた途端…」と帰結するところはよかった。

(読書記録)失礼な一言

日常で発してしまいがちな失礼な言葉を中心にまとめた新書。

失礼な一言 (新潮新書) | 石原 壮一郎 |本 | 通販 | Amazon

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「きれいになったね」「赤ちゃんはまだ?」「独身は自由でいいよね」「食べていけるの?」「おい、生中」。家庭や職場や仲間うちで何気なく言ってしまうマナー違反の言葉の数々。自分では気をつけているつもりでも、つい口にしてしまう〝失礼な一言〟がもたらす行き違いを回避するにはどうすればいいのか。日常会話からメールやLINEのやりとり、SNSへの投稿まで、様々な局面で知っておきたい言葉のレッドライン。

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なるべく失礼な言葉を発することは避けたい一方で、つい言葉にしてみまうことはある。なるべくそのような発言は避けたいと思いつつ、最終的には言葉のニュアンスや伝え方、場面や相手などで変わるため、なかなか難しいところ。

この本では、失礼とは相手と自分の共同作業ということが繰り返し述べられている。自分もよく「この人、その発言は失礼」と感じるが、受け手が”失礼”と感じなければ失礼にはならないのだと再認識した。

その観点では、決して鈍感になる必要はないが、「そういう人なんだな」とか、たいして気にしないことも重要だろう。結局は自分は自分ということで、大して関わりの少ないしょうもない人に自分の感情などを害されるのは無駄である。

様々な場面を取り上げた本であり、興味深い一冊だと感じた。

(読書記録)暗殺

赤川次郎作の今年出版された小説。

Amazon.co.jp: 暗殺 : 赤川 次郎: 本

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殺人犯はここにいる! 声なき目撃者と刑事が暴く、邪悪な政治家の罪と罰
大学受験の朝、駅で射殺事件を目撃しながら通報を怠った麻紀。やがて親友の恋人として再び姿を現した犯人は職業的殺人者だった——。一方、事件を追う刑事のことみは現役大臣の秘書と交際するうち、大臣の特殊な性癖と周囲の不審な事件を知り、密かに調べを進める。殺人の構図と人間の暗部が読者を打ちのめす傑作長篇。

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久々に著者の作品を読んだが、開いた瞬間に上下二段の文章構成が、久々というか、懐かしいというか、不思議な気持ちになった。

ストーリーとしては、疾走感ある印象でラストまで一直線に進んでいくような印象を受けた。登場人物が変わる場面が多いが、特に違和感なくスムーズに読むことができる。

 

ただ、「読者を打ちのめす」という観点では疑問に思った。

政治家を悪に仕立てるストーリーがさもありなん、という点は割り引いても、ラスト付近の展開は?が複数頭の中に出てきた。内容が分からないという趣旨ではないが、若干結末が軽い印象を受けた。あるいは、自分の読解力か作者の布石回収などが読み切れていないが。

 

(読書記録)SDGsの大嘘

SDGsに対して否定的な見地から記述された新書。

SDGsの大嘘 (宝島社新書) | 池田 清彦 |本 | 通販 | Amazon

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世はまさにSDGsブーム。

「よりよい未来をつくるために」と掲げられ、政府やマスコミも手放しで礼賛する17の達成目標はどれもご立派なものばかりだが、
その一つひとつを科学的に検証していくと、欺瞞と矛盾に満ちた「大嘘」であることがわかる。

このままだと「地獄への一本道」を突き進むことになるというのに、日本人はいつまでこの茶番を続けるつもりなのか?

拗(す)ね者の生物学者が忖度(そんたく)なしに語りおろす、SDGsの知られざる真実!

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たまたま手に取って読んでみた本。時よりテレビでも目にする筆者が書いており、この本の内容をそのまま鵜吞みにしてよいか、という観点では疑問は残るが、SDGsの目標の中に相反するものがあるのではという点は従前より少し気になっていた。

個人的にはソーラーパネルとかは微妙に考えており、確かにSDGsという冠をもとに、かえって悪い方向に走っている例も少なくないように思う。

よく言われるSDGsという言葉を考え直す機会にはよい本だと思う。そのうえで、個々人がどのように考えるか(この本に賛同するのか、あるいは別の見方をするのか)。